2022年6月

就職観は「楽しく働きたい」が最多
~「マイナビ 2023年卒大学生就職意識調査」から

 

株式会社マイナビが1979年卒より毎年実施している「マイナビ 2023年卒大学生就職意識調査」の結果のうち、主要な項目は次のとおりとなりました。

 

◆就職観

就職観はこれまでと同様に「楽しく働きたい」が最多で37.6%(対前年2.8pt増)となりました。2020年卒以降、減少傾向でしたが、3年ぶりに上昇に転じました。

経済状況の悪化や大きな災害等が起きた際は同項目の割合が減少する傾向にありますが、新型コロナウイルス感染症の観点で見ると、昨年を通してワクチン接種が進んだほか、各種行動制限の緩和などが進みました。そうした状況のなか、学生にとっても社会に対する不安が軽減されたことが、3年ぶりの数値上昇の背景となった可能性も考えられます。

 

◆企業選択のポイント

企業を選択する場合にどのような企業がよいか(あてはまると思う項目を2つまで選択)を聞いたところ、「安定している」が43.9%(対前年1.1pt増)と最多となりました。「自分のやりたい仕事(職種)ができる」が32.8%で前年比1.8pt減、「給料のよい」が19.1%で前年1.6pt増となり、前年同様トップ3の項目となった「給料のよい」は16年卒調査以来毎年上昇していましたが、前年22年年卒で2.3pt減少。今年は1.6pt増加となりました。

 

◆行きたくない会社

行きたくない会社(あてはまる項目を2つ選択)を聞いたところ、「ノルマのきつそうな会社」が前年に続き最多で37.4%(対前年1.6pt増)、次いで「暗い雰囲気の会社」で27.1%(対前年1.8pt減)となりました。上位2項目は2008年卒以来変わっていませんが、2022年卒で上位3項目に浮上してきた「転勤の多い会社」が今年も3位となり、前年比1.7pt増の26.6%となりました。

【マイナビ「2023年卒大学生就職意識調査」】

https://career-research.mynavi.jp/reserch/20220426_27155/

 

5月から企業型確定拠出年金の脱退一時金受給要件が見直されています

 

◆脱退一時金とは?

確定拠出年金(以下、「DC」という)は、原則60歳まで掛金を積み立てて老齢給付金を受け取ります。そして、離転職時には年金資産を持ち運ぶことができます。

例外として、年金資産が一定額以下の場合に60歳未満での引出しが認められる場合があり、その際に受け取るのが脱退一時金です。

 

◆企業型DCの脱退一時金の受給要件の見直し

これまで、資産が15,000円を超える人は他の企業型DCやiDeCoなどに資産を移換する必要があり、iDeCoに資産を移換した場合に、iDeCoの脱退一時金の受給要件を満たせばiDeCoの脱退一時金を受け取ることができました。

2022年5月からこの受給要件が見直され、15,000円を超える人も、iDeCoの脱退一時金の受給要件を満たせばiDeCoに資産を移換しなくても企業型DCの脱退一時金を受給できるようになっています。

ちなみに、iDeCoの脱退一時金の受給要件は、国民年金被保険者となることができない人で、通算掛金拠出期間が5年以下であることや資産額が25万円以下であること等です。

 

◆改正事項はほかにも

5月から企業型DCに加入できる年齢が拡大され、厚生年金被保険者(70歳未満)であれば加入できるようになっています(会社が規約で加入者資格を「60歳未満」、「65歳未満」等定めることは可能)。iDeCoでも、60歳以上の人が国民年金の第2号被保険者または国民年金の任意加入被保険者であれば加入できるよう拡大されています。

DCには税制優遇制度があり、有利に老後の生活資金準備ができるため、会社の退職金制度として導入するところが増えています。一度検討してみてはいかがでしょうか。

【厚生労働省「iDeCoの脱退一時金の受給要件の見直し(2021年4月1日施行)」】

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/2020kaisei.html#20210401

 

6月は「リウマチ月間」です!
治療と就労の両立支援について考えてみませんか?

 

◆「リウマチ」について知っていますか?

6月は「リウマチ月間」です。リウマチ性疾患の中でも、特に関節リウマチは患者数も多いことから、認識を深め、正しい知識を普及・啓発するため、このリウマチ月間には毎年、さまざまな取組みが実施されています。

関節リウマチの患者数は、厚生労働省の患者調査によると約33万人。年齢別では30~50歳代での発症が多いとされています。リウマチ性疾患は慢性かつ難治性の疾患であり、発症すると長期の治療が必要となりますが、症状が軽い場合には職場の配慮により仕事と治療を両立することも可能です。

 

◆働き続けるための配慮

関節リウマチは、関節が炎症を起こして、腫れやこわばり、激しい痛みが生じる病気です。症状はさまざまですが、特徴的な症状別に、次のような就業措置を講じることが考えられます。

○朝の関節のこわばり:早朝作業を行わせない/始業時間を遅くする

○関節の痛み:重筋作業全般を制限する

○疲労感:長時間労働を制限する/休憩時間を確保する

○手指関節の変形:巧緻性が低下するため手指作業を制限する

○立位保持の難化:立位作業や高所作業、振動作業などを制限する

そのほか、通勤に問題を抱える方は少なくありませんので、通勤しやすい時間帯への就業時間の変更や在宅勤務が、具体的な対応として挙げられます。

 

◆働き続けられる職場づくり

現在、関節リウマチの影響で仕事を辞める患者は約3割いるともいわれています。職場での支援が行われることにより、仕事にとどまり能力を維持することができれば、患者(労働者)と会社、双方にメリットがあります。リウマチを患っても働き続けられる職場づくりについて、この機会に考えてみませんか?

 

在宅勤務の満足度8割超で過去最高に
~日本生産性本部「第9回働く人の意識調査」から

 

公益財団法人日本生産性本部が4月22日、「第9回 働く人の意識調査」の結果を取りまとめ、公表しました。調査は、コロナ禍が組織で働く人の意識に及ぼす影響の継続調査として、2020年5月以降、四半期ごとに実施しているものです。今回は、4月11、12日に、日本の企業・団体に勤務する1,100人を対象にインターネットによるアンケート形式で実施しました。

 

◆テレワーク実施率は約2割で推移、在宅勤務の満足度は8割超えで過去最高

テレワーク実施率は20.0%と前回調査の18.5%から微増しています。在宅勤務の効率について「効率が上がった」「やや上がった」の合計は、60.4%。在宅勤務に「満足している」「どちらかと言えば満足している」の合計は84.4%と過去最多となりました。

また、「コロナ禍収束後もテレワークを行いたいか」との質問では「そう思う」「どちらかと言えばそう思う」の合計が71.8%でした。

 

◆景況感は、現在の景気・今後の景気見通しともに悲観的な見方が増加

 現在の景気について悲観的な見方(「悪い」「やや悪い」の合計)は、67.6%で、前回の66.4%より微増しています。今後の景気見通しについても、悲観的な見通しが51.4%と2回連続で増加しています。

 

◆職場における生産性向上の取組みは、企業規模やテレワークの有無で実施率に差

 職場での生産性向上への取組みについては、「業務の進め方の効率化」が52.0%と最多で、次いで「情報共有の推進」(51.8%)「コストの削減」(46.1%)「業務の改廃」(43.6%)と続いています。従業員規模別では、100人以下の中小企業と1,001人以上の大企業とでは、「業務の進め方の効率化」で 20 ポイント以上の差が見られるほか、その他の取組みでも企業規模による差が見られました。

【日本生産性本部「第9回 働く人の意識調査」】

https://www.jpc-net.jp/research/detail/005805.html