2020年12月

ウィズコロナ時代の忘年会

 

◆どうする? 今年の忘年会

間もなく忘年会のシーズン。例年であれば、メンバーに声をかけて日程を調整したり、場所の選定をしたりという頃合いかもしれません。しかし、今年は新型コロナウイルス感染症拡大により、例年通りとはいきそうにありません。ウィズコロナ時代の忘年会について、人々はどのように考えているのでしょうか? 日本フードデリバリーは「ウィズコロナ時代における忘年会」に対する意識調査を行いました。

 

◆忘年会をリスクと捉える人が多数

「忘年会の参加によって新型コロナへの感染リスクが高まると思うか?」という質問には、「高まる」「どちらかといえば高まる」と答えた人が合わせて94.9%に上りました。多くの人が、従来の忘年会の様式では感染リスクが高まると考えていることが伺えます。そして、「今年、職場の忘年会が開催された場合に参加したいか?」という質問では、「参加したくない」「どちらかといえば参加したくない」が合わせて61.5%となり、乗り気ではないと答える人が多数派となりました。なお、「参加したくない」と回答した人の理由は、「新型コロナウイルスへの感染が不安だから」というものが大半でした。

 

◆重視するのは感染防止対策

忘年会で重視するポイントを尋ねる問いに対しては、「感染防止対策を行っている」(75.7%)が最多となりました。また、開催する場合に望ましいかたちとして、以下のような傾向が読み取れました。

・開催場所は、感染防止対策がきちんと行われている「飲食店」か「オフィス」を希望する人が多い。

・時間の長さは、8割の人が「2時間未満」が望ましいと回答。

・時間帯は、就業時間内の開催を望む人と、終業後の開催を望む人の割合が、約半々。

アンケートからは、新型コロナウイルスへの感染を避けるための行動をしようという意識が強く感じられました。こういった意識をくみ取りながら、社内で意見をすり合わせ、どうするかを選択していきましょう。

 

参考:

「ウィズコロナ時代の忘年会に対する意識調査」(日本フードデリバリー株式会社)

https://www.jfd.co.jp/news/422/

 

 

年次有給休暇の取得が過去最高~令和2年就労条件総合調査~

 

厚生労働省から令和2年就労条件総合調査の結果が公表されました。今年の特徴は、年次有給休暇の取得日数が過去最多の10.1日、取得率が過去最高の56.3%となったことです。

 

◆労働時間制度

(1)所定労働時間

1日の所定労働時間は、1企業平均7時間47分(平成31年調査7時間46分)、労働者1人平均7時間46分(同7時間45分)となっています。

週所定労働時間は、1企業平均39時間24分(同39時間26分)、労働者1人平均39時間03分(同39時間03分)となっています。

週所定労働時間の1企業平均を企業規模別にみると、「1,000人以上」が39時間00分、「300~999人」が39時間09分、「100~299人」が39時間12分、「30~99人」が39時間30分となっています。産業別にみると、「金融業、保険業」が38時間17分で最も短く、「宿泊業、飲食サービス業」が39時間51分で最も長くなっています。

(2)年間休日総数

平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)の年間休日総数の1企業平均は109.9日(平成31年調査108.9日)、労働者1人平均は116.0日(同114.7日)となっています。

1企業平均年間休日総数を企業規模別にみると、「1,000人以上」が116.6日、「300~999人」が114.9日、「100~299人」が113.0日、「30~99人」が108.3日となっています。

(3)年次有給休暇

平成31年・令和元年(又は平成30会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇(繰越日数を除く。)は労働者1人平均18.0日(平成31年調査18.0日)、そのうち労働者が取得した日数は、10.1日(同9.4日)で、取得率は56.3%(同52.4%)となっており、取得日数は過去最多(昭和59年以降)、取得率は過去最高(昭和59年以降)となりました。

 

◆賃金制度

(1)時間外労働の割増賃金率

時間外労働の割増賃金率を「一律に定めている」企業割合は81.6%(平成31年調査84.0%)となっており、そのうち時間外労働の割増賃金率を「25%」とする企業割合は93.3%(同94.9%)、「26%以上」とする企業割合は4.5%(同5.0%)となっています。

(2)諸手当

令和元年11月分の常用労働者1人平均所定内賃金は319.7千円となっており、そのうち諸手当は47.5千円、所定内賃金に占める諸手当の割合は14.9%となっています。

また、所定内賃金に占める諸手当の割合を企業規模別にみると、規模が小さいほど高くなっています。

 

 

テレワークに対応できる体制整備は必然

 

◆緊急事態宣言から半年後の状況

人材サービス会社のアデコ株式会社が行った調査で、緊急事態宣言から半年後における企業のテレワークの状況等が明らかになりました。

人事・総務担当者1,200名を対象にしたこの「緊急事態宣言から半年後の企業テレワーク実態調査」によると、緊急事態宣言下でテレワークを導入した企業のうち82%がテレワークを継続しています。そのうち42%が全社的に継続、40%が一部の部署のみ継続しているとのことです。

テレワークを継続している企業の半数以上で出社日は設定せず、個人の裁量にゆだねられているとのことです。出社日を決めている場合は、週3日出社としている企業が最も多いそうです。

 

◆リテラシー

調査では、今後の働き方については、 「テレワークの導入、継続予定」が53%との回答が過半数を占める一方、「廃止、縮小、導入予定なし」が34%となっています。この傾向は従業員1,000名未満の企業で顕著となっています。

ただ、テレワークの継続に積極的でない場合でも、他の多くの企業でテレワークが広がるなか、働き方の変化に伴う様々なツールの使用法や、文字には表れてこない仕事のスケジューリングのコツのような知識は、社員はリテラシーとして知っておくべき事柄です。新しい働き方が広がる時代の仕事マナーともいえるでしょう。

こうしたことも、今後は社員教育のとして考えていく必要があるでしょう。テレワークを導入しない企業でも、テレワークという働き方に対応できる体制の整備は必ず必要になることです。

 

◆制度整備等の検討を

また、緊急事態宣言下のテレワーク導入は、急だったこともあり、本調査でも、テレワーク補助などの新しい福利厚生施策等の導入状況については、42.2%が「検討中」と回答しており、制度整備が未対応のところが多いようです。

また、パソコン等を貸与する場合も、業務によって使いやすい仕様としたりするなど、新型コロナの混乱が少し落ち着いた今、当初は手が付けられていなかった、きめ細かな対応を考えるべきタイミングになったといえるでしょう。

 

https://www.adeccogroup.jp/pressroom/2020/1030

 

 

「雇用シェア」の活用と雇用調整助成金の受給要件

 

◆異業種間の出向のマッチングを無料で支援

公益財団法人「産業雇用安定センター」は、新型コロナウイルス感染症の影響で一時的に雇用が過剰となった企業(送り出し企業)が人手不足等で悩む企業(受入れ企業)への出向のマッチングを無料で行う「雇用シェア」(在籍型出向制度)への支援を強化しました。同センターは、6月から「雇用を守る出向支援プログラム2020」を開始し、送り出し企業と受入れ企業の人材ニーズに関する情報を収集、状況を把握し、異業種間の出向支援を行っています。

◆「雇用シェア」の具体的な事例

例えば、観光客の減少により観光バスの運転手の雇用維持に苦慮している観光バス会社の従業員を、従来からの人手不足に加えて、輸送量や出荷の増加していることからトラック運転手や倉庫関連の業務の人員確保として出向する事例や、旅館やホテルの従業員が病院の案内係として活躍などの事例が挙げられています。

◆雇用調整助成金の受給要件

厚生労働省は、「雇用シェア」を活用する場合に雇用調整助成金が受給要件を掲載したリーフレットを公開しました。概要は下記のとおりです。

 

●対象となる出向

・雇用調整を目的とする出向(経済上の理由で事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図ることを目的に行う出向)であること

・出向後は元の事業所に戻って働くことを予定していること

・出向元と出向先が、親子・グループ関係にないなど、資本的、経済的・組織的関連性などからみて独立性が認められること

・玉突き雇用・出向(出向元で代わりに労働者を雇い入れる、出向先で別の人を出向させたり離職させる、出向元と出向先で労働者を交換するなど)を行っていないこと

 

●助成額

出向元が出向労働者の賃金(注1)の一部を負担する場合、以下のいずれか低い額に助成率

(注2)をかけた額を助成。

イ 出向元の出向労働者の賃金に対する負担額
ロ 出向前の通常賃金の1/2の額

※ただし、8,370円× 330/365 × 支給対象期の日数が上限

(注1)出向労働者に出向前に支払っていた賃金とおおむね同額を支払うことが必要
(注2)助成率は、中小企業2/3 大企業1/2

 

●支給までの流れ

①出向先との契約、労組などとの協定、出向予定者の同意

(契約は、出向元と出向先の間で、期間、処遇、賃金額、負担割合などを取り決める)

②計画届の提出、要件の確認 ③出向の実施(1か月~1年) ④支給申請、助成金受給

 

【厚生労働省リーフレット:「雇用シェア」(在籍型出向制度)を活用して、従業員の雇用を守る企業を無料支援します!】https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000682586.pdf