子ども・子育て支援金の徴収が始まります
◆子ども・子育て支援金とは?
国の「こども未来戦略『加速化プラン』」で定められた子育て支援の拡充にかかる費用に充てるため、「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」(令和6年法律第47号)により創設されるものです。
高齢者を含むすべての世代の人が、公的医療保険の保険料とあわせて徴収され、会社員は令和8年4月分から徴収が始まります。
◆どのような支援に活用されるの?
2025年4月からの雇用保険の「出生後休業支援給付」「育児時短就業給付」は、子ども・子育て支援金を活用した子育て支援策として、既に実施されています。また、児童手当の拡充や親の就労の有無にかかわらず保育園に通いやすくする「こども誰でも通園制度」の給付なども、同様です。
◆負担額はどれくらい?
子ども家庭庁が12月26日に公表した年収別推計によれば、協会けんぽ・組合健保の被保険者一人当たりの月額負担は次のように示されています。ただし、社会保障の歳出改革等を行うことで、支援金による負担は相殺されるため、支援金導入に伴う実質的な負担は生じない、とされています。
・200万円:192円 ・400万円:384円 ・600万円:575円
・800万円:767円 ・1,000万円:959円
◆給与計算への影響は?
上記のとおり、会社員は令和8年5月に納付する令和8年4月分の保険料から徴収が始まりますので、あらかじめ従業員に周知しておくとよいでしょう。
なお、育児期間中は医療保険料や厚生年金保険料と同様に、支援金も免除されます。
【こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」】
https://www.cfa.go.jp/policies/kodomokosodateshienkinseido
【厚生労働省「令和6年雇用保険制度の改正内容について(子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律)」】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40723.html
貴社の取得状況はいかがですか? 有給休暇取得率が66.9%で過去最高に~厚生労働省「就労条件総合調査」
◆年次有給休暇取得率が過去最高に
厚生労働省の「令和7(2025)年就労条件総合調査」によれば、令和6年の労働者1人当たりの年次有給休暇取得率は66.9%、平均取得日数は12.1日でした。これは過去最高の数値で、また近年は過去最高を更新し続けていることから、年休の取得促進が進んでいることがうかがえます。
中小企業では、業務量の偏りや代替要員の確保が難しいことなどから、年休取得が進みにくい傾向があります。しかし、年休取得促進は、従業員の健康確保・離職防止・生産性向上に直結する重要な取組みです。また採用の観点でも、「きちんと休める会社か」は若年層や育児世代を中心に関心の高い項目です。大企業が週休3日制などを取り入れる中で、同業他社と比べて著しく取得率が低かったり、促進の取組みを何もしていなかったりという状況では、人材確保が困難となる可能性があります。
◆年休取得促進のポイント
① 計画的付与制度の活用
年次有給休暇の計画的付与制度とは、年次有給休暇の付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を締結する等により、計画的に休暇取得日を割り振ることができる制度です。繁忙期・閑散期を見据えて計画的に付与することで、事前に業務調整を行いやすくなります。
② 休みやすい職場環境の整備
仕事はチームで行うという認識のもと、特定の担当者しかできない業務を減らすことで、休みやすい環境を整えることができます。情報共有による属人化防止が実践のカギです。また、上司の姿勢や職場の空気が取得率に大きな影響を与えます。管理職研修や取得状況の可視化が有効です。
【厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査 結果の概況」】
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/25/index.html
協会けんぽの平均保険料率が34年ぶりに引下げで9.9%に
主に中小企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)から、「2026(令和8)年度政府予算案を踏まえた収支見込みについて(概要)」が公表されました。
2026年3月分(4月納付分)から、医療分の平均保険料率は10.0%から9.9%に引き下げ、介護保険料率は1.59%から1.62%に引き上げ、新設の子ども・子育て支援金制度による支援金率は0.23%となります。
◆医療分
2026年度の協会けんぽの収支見込みについては、平均保険料率を上記のとおり設定した上で、政府予算案(診療報酬改定等)を踏まえて算出した結果、収入(総額)が12兆3,979億円、支出(総額)が11兆8,841億円と見込まれ、単年度収支差は5,137億円となることが見込まれています。
収入については、2025年度(決算見込み)から516億円増加する見込みです。増加する要因は、主に「保険料収入」について、平均保険料率を10.0%から9.9%に引き下げることによる減収要因がありますが、保険料を負担する被保険者の標準報酬月額の上昇により増加する見込みとなること等によるものです。
支出については、2025年度(決算見込み)から1,951億円増加する見込みです。増加する要因は、主に「保険給付費」について、加入者1人当たり医療給付費が増加すること等によるものです。
◆介護分
2026年度の介護保険料率は、2025年度の介護保険料率1.59%よりも0.03%ポイント増加し、1.62%となります。増加する要因は、前年度末の剰余分(保険料率引下げに寄与)の見込み額が2025年度料率設定時より小さくなることによるものです。
◆子ども・子育て分
2026年4月から開始される子ども・子育て支援金制度による2026度の支援金率については、国から示された「実務上一律の支援金率」を踏まえて0.23%となります。
【全国健康保険協会「2026(令和8)年度政府予算案を踏まえた収支見込みについて(概要)」】
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g1/r8-1/26010501/
高年齢者の労働災害防止のための指針案について
高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会で「高年齢者の労働災害防止のための指針」の案が示されました。指針は、令和8年2月に公示され、令和8年4月1日より適用される予定となっています。
◆「高年齢者の労働災害防止のための指針」とは
この指針は、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理等、高年齢者の労働災害の防止を図るために事業者が講ずるよう努めなければならない措置に関し、その適切かつ有効な実施を図るためのものです。
◆事業主が講ずべき措置
以下の1~5に掲げる事項について、各事業場における高年齢者の就労状況や業務の内容等の実情に応じて、国、関係団体等による支援も活用して、実施可能な対策に積極的に取り組むことが必要とされます。
1 安全衛生管理体制の確立等
- 経営トップによる方針表明及び体制整備
- 高年齢者の労働災害防止のためのリスクアセスメントの実施
2 職場環境の改善
- 身体機能の低下を補う設備・装置の導入
② 高年齢者の特性を考慮した作業管理
3 高年齢者の健康や体力の状況の把握
- 健康状況の把握
- 体力の状況の把握
③ 健康や体力の状況に関する情報の取扱い
4 高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応
- 個々の高年齢者の健康や体力の状況を踏まえた措置
- 高年齢者の状況に応じた業務の提供
③ 心身両面にわたる健康保持増進措置
5 安全衛生教育
- 高年齢者に対する教育
② 管理監督者等に対する教育
◆労働者と協力して取り組む事項
事業者は、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講ずるよう努める必要があり、個々の労働者は、自らの身体機能等の低下が労働災害リスクにつながり得ることを理解し、労使の協力の下で取組みを進めること。
高年齢者に安心して活躍してもらえるよう、公示された指針をもとに、必要な措置を講じていきましょう。
【高年齢労働者の労働災害防止対策に関する検討会】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62749.html

