マイナ保険証の有効期限をご存知ですか?
◆マイナンバーカードと有効期限
マイナ免許証の交付開始時に、現行システム上の注意点としてマイナンバーカードと運転免許証の更新の順番によっては免許情報の再度の紐付けをしないと免許不携帯になるおそれがあるとの注意喚起がされましたが、マイナ保険証でも有効期限に注意が必要です。
マイナンバーカードの有効期限は、18歳以上が発行の日から10回目の誕生日まで、18歳未満は5回目の誕生日までですが、マイナ保険証利用時等に利用する電子証明書(数字4桁)の有効期限は、全年齢で5回目の誕生日までとされているからです。
つまり、マイナンバーカードは有効期限内であってもマイナ保険証は期限切れ、ということが起こり得るのです。
◆有効期限が切れてしまったら?
マイナンバーカードおよび電子証明書は、有効期限の2~3カ月前を目途に有効期限通知書が送付されてくるので、市区町村窓口で手続きをすれば更新できます。
期限内に手続きができなかった場合、期限切れから3カ月間は引き続きマイナ保険証で受診できます(保険資格情報の提供のみ)。3カ月を過ぎるとマイナ保険証では受診できなくなり、再発行の手続きをしなかった場合、3カ月以内に資格確認書が交付されます。
◆どんな手続きが必要?
マイナンバーカードおよび電子証明書は、上記のとおり、有効期限が近づくと有効期限通知書が送付されてきます。
通知書に交付申請用QRコードがある場合は、スマートフォンで申請の上、市区町村窓口で新しいマイナンバーカードと交換できます。QRコードがない場合は、有効期限通知書に記載された必要書類を持って市区町村窓口で手続きをします。
【マイナンバーカード総合サイト】
https://www.kojinbango-card.go.jp/faq_expiration5/
https://www.kojinbango-card.go.jp/220401_2/
【厚生労働省「マイナ保険証利用時には電子証明書の有効期限をご確認ください!」】
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001459040.pdf
業種別カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル「スーパーマーケット業編」が公表されました
◆カスタマーハラスメントの現状
近年、顧客や取引先からの悪質なクレーム等の著しい迷惑行為(カスタマーハラスメント。以下、「カスハラ」という)が増加しています。厚生労働省の調査では、カスハラは、セクハラ・マタハラ・パワハラ等の他のハラスメントと比べ、過去3年間で相談のあった企業の件数が最も多く、社会的な問題ととらえられています。
こうした背景を踏まえ、厚生労働省は、令和4年に「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を策定し、カスハラ対策に関心を持つ業界団体に向け、対応方針を策定してきました。令和6年度事業では、スーパーマーケット業界について実施し、今年3月に「スーパーマーケット編」の企業マニュアル(以下、「本マニュアル」という)を公表しました。
◆本マニュアルの内容と活用
本マニュアルでは、以下の内容がまとめられています。
・カスハラ対策に取り組む意義
・カスハラの定義・判断基準
・スーパーマーケット業での実態(発生状況、対応状況)
・業界におけるカスハラに対する共通方針(対応方法)
・具体的対策(基本方針、相談対応体制の整備、対応手順、社内教育・研修、従業員への配慮措置、再発防止への取組み 等)
カスハラ対策を企業に義務付ける労働施策総合推進法の改正が閣議決定され、成立は目前です。しかし、他のハラスメントに比べ歴史が浅く、裁判例等の蓄積も十分ではないため、実務のノウハウが未発達です。
企業にとっては、これからの情報収集や具体的な実務対策への取組みが急務となるでしょう。
【厚生労働省「業種別カスタマーハラスメント対策 企業マニュアル(スーパーマーケット業編)」】
https://www.mhlw.go.jp/content/11910000/001454169.pdf
厚生労働省が不妊治療と仕事との両立に関する資料を公開しました
◆不妊治療をめぐる現状
日本全体の出生数は下がっているなか、不妊の検査や治療を受けるカップルは増加傾向にあり、令和3年(2021年)に不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦の数は「約4.4組に1組」となっています(厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」)。不妊治療にあたっては女性に大きな負担がかかり、キャリア継続に支障をきたすことは珍しくありません。経営者はじめ社会全体で理解を深め、対策を講じていくことが重要です。
そうしたなか、厚生労働省から、不妊治療と仕事との両立に関する新しい資料として、「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」および「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」の2つが公開されています。
◆「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」
本マニュアルは、以下の構成となっています。
第1章 不妊治療について
第2章 企業における不妊治療と仕事の両立支援に取り組む意義
第3章 不妊治療と仕事との両立支援導入ステップ
第4章 不妊治療と仕事との両立に取り組んでいる企業の事例
第5章 不妊治療と仕事との両立を支援する上でのポイント
第6章 参考情報
不妊についての基礎知識・保険の仕組みや各種データ、企業が対策に取り組む意義および具体的な方法、企業の好事例集などがまとめられています。
◆「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」
本ハンドブックでは、不妊治療に関するデータや職場での配慮のポイント、お役立ち情報などがコンパクトにまとめられています。
上記ハンドブックでは、不妊治療の全体像や企業ができるサポートの概要を知ることができます。その上で、より詳しい情報や具体的な取組みの進め方を知りたい場合、マニュアルを通じて理解を深めることができます。
女性のキャリア中断を防止することは労働者・企業双方にとって重要です。上記資料等は経営者・担当者にとってのヒントになると思われます。また、実際に取り組みを始めたい場合、助成金など各種制度、企業内の制度設計や環境整備、従業員への説明やプライバシーの確保など、悩ましい点も多々出てくるかと思うので、その際はぜひ当事務所にご相談ください。
【厚生労働省「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30k.pdf
【厚生労働省「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」】
https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30l.pdf
派遣事業報告書は今からチェック
派遣事業報告書は、労働者派遣法に基づき派遣元事業主が年1回、提出を義務付けられている法定報告書です。派遣労働者の契約状況・安全衛生管理・キャリアアップ措置の実施状況などを記載します。提出期限は、例年6月末となっていますが、正確な内容で期限内に提出できるよう事前にチェックしておきましょう。
◆提出不備は事業継続にマイナス影響
未提出の場合、罰金や、派遣許可取消・業務停止命令の対象となります。虚偽報告が発覚した場合の信用失墜は取引先離れを招きますし、派遣労働者の方々の生活も脅かします。許可取消処分を受けた事業者の多くが報告書不備を要因としています。
◆事業報告書のポイント
◎2024年様式変更への対応
新様式では欄の配置変更が行われており、旧様式使用は受理されません。都道府県労働局のホームページから最新の様式をダウンロードして使用しましょう。
◎「収支決算書」「関係派遣先割合報告書」にも注意
事業報告書と同時に、3月決算の会社では、労働者派遣事業収支決算書と関係派遣先派遣割合報告書も、同じタイミングで提出期限がきますので注意しましょう。
◎電子申請でも原本保存が必要
電子申請(e-Gov)の場合も原本保存義務が発生するため、データの保存体制の構築が求められます。法令遵守が事業存続の前提条件となっている現代において、報告書管理は経営リスク管理の要です。
なお、2020年改正派遣法施行後は、同一労働同一賃金の実施状況を確認する労使協定の添付が必須(労使協定方式を選択している場合)となり、待遇改善の進捗管理ツールとしての側面も強まっていますが、これに関して、派遣事業報告書に“36協定”を添付して提出してしまう勘違いがよくあるそうです。「労使協定」と聞くと、最初に思い浮かぶのが36協定なのでしょうけれども、注意が必要です。